今日の世界はモバイルファーストになり、 現在、すべての ウェブトラフィックの半分以上(50.81%)がモバイル経由です。そして、中でも伸びているのが、モバイルを利用した買い物です。
一般的に、スマートフォンなどのモバイルデバイスは、購入よりも検索で使用されてきました。しかし現在では、インターネットユーザーの半数以上がモバイルデバイスで商品を購入しており、その 3分の2はショッピングアプリを利用しています。この傾向は、今後も続いてゆくと見込まれています。
最近のデータによると、 グローバルのモバイルコマースアプリの収益は2021年までに35億6,000万USドルに達する見込みです。実店舗の閉鎖を引き起こした新型コロナ感染症は、オンラインショッピングにおいては逆にその加速に大いに貢献してきましたが、他にも長期的な要因がありそうです。
その大きな原因の一つに、インターネットを利用する方法があると考えられています。つまり人は、スマートフォンを利便性という観点から選んでいるというものです。消費者、特に ミレニアル世代にとって、取引をモバイルやアプリで完了することは、より身近なものになっています。
消費者がショッピングアプリを愛する理由
ショッピングアプリは、消費者に複数のメリットをもたらします。最大のメリットは、ウェブサイトよりも速くて、操作しやすいことです。実際、調査によると、アプリはモバイルサイトと比較して、 セッションごとに閲覧された製品数が4.2倍だそうです。また、モバイルアプリは、モバイルサイトよりも3倍高いコンバージョン率であるとわかりました。ブランドにとっては素晴らしいニュースです。
アプリコマースでは、よりパーソナライズされたコンテンツが利用できるため、顧客体験にとっては、大変有利です。アプリはオンラインとオフライン両方でアクセスでき、いつでもどこでもブラウジングや買い物ができるようになります。
ショッピングアプリがすべてのアプリカテゴリの中で最もリテンション率が高いというのも、ブランドにとってのさらなる魅力です。14%以上のリテンション率が 1 週間以上保たれたという最近の調査もあります。
モバイルアプリのメリットとショッピングアプリに対する態度の変化が獲得単価の減少やエンゲージメントの増加、さらにはコンバージョン率の改善を生んでいます。このことで、ブランドはアプリへの投資をさらに増加しています。マッキンゼーによると、小売業者の約45~50%が2020年に モバイルアプリやPOS体験を優先する計画を立てています。
消費者の要求がますます強まるにつれて、アプリへの投資はなおさら不可欠になってきましたが、ブランドはアプリのコマーストレンドの波に乗り、確実にマネタイズするためには何が必要でしょうか。
アプリコマースの取り組みを最大限に活用する方法
新規獲得は、アプリコマースの取り組みを最大限に活用するために不可欠です。ダウンロードされないと、コンバージョンは発生しません。同様に重要なのはリテンションです。アプリのユーザーを満足させてエンゲージメントを維持することで、コンバージョンや購入を促進できます。データとテクノロジーを効果的に活用することで、さらに効率が上がります。
1.価値の高いアプリユーザーを特定してターゲットする
Statistaによると、ショッピングアプリ インストール後の購入率は2020年4月時点で平均14.7%でしたが、ブランドコマースアプリの場合は13.6%でした。これらの数字を引き上げるために、データとディープラーニングツールを使用して、高価値のアプリユーザーの特徴と行動を特定する傾向がますます高まっています。
サードパーティーのデータに基づいたアプリ外の消費者のふるまいを元に、ディープラーニングは消費者をセグメント化し、コンバージョンの可能性に応じてそれをランク付けします。また、 検索広告やソーシャル広告を通じて潜在的なアプリユーザーをターゲットするように、ユーザーが関心を示したトピックや製品を特定し、価値の高いキーワードを特定するのにも、ディープラーニングは活用されます。
2.ハイパーパーソナライズされたコンテンツの配信
ショッピングアプリは、他のカテゴリのアプリと比較して最もリテンション率が高い一方で、多くの買い物客がダウンロード後に消えるため、離脱は依然として課題です。離脱を防ぐ効果的な方法の1つは、パーソナライズによってコンテンツに親和性を加味してエンゲージメントを高めることです。
機械学習を使用して顧客とアプリとのやり取りを確認することで、顧客の行動や好みを理解し、それに応じて、製品のレコメンド、ヒント、動画、アプリ限定のリワードといったように、コンテンツをカスタマイズできます。
3.チャンスを最大限に活用する
適切なユーザーをターゲティングしてパーソナライズされたコンテンツでエンゲージすることは重要ですが、いつ、どこでエンゲージするかも同様に重要です。
ユーザーが最もアクティブで反応のよいチャネルは何か、リーチするのに最適なタイミングはいつなのか。人工知能を搭載したMAツールを活用して、ユーザーの行動と意図をよりよく理解することで、アプリ内メッセージ、プッシュ通知、電子メール、SMSなどの好みのチャネルを通じて、タイムリーなマーケティングメッセージを自動配信できます。
4.高度なプロモーションで決めかねているユーザーをターゲットする
買い物客は特典が大好きです。アプリユーザーだけの特典を上手に利用することで、適切な顧客を囲い込んで、購入に導くことができます。
高度な機械学習を使用すると、ユーザーのタップやスワイプなど、アプリ内の行動を分析して購入意図を正確に評価し、 クーポンに反応する傾向のある、迷い顧客を特定する効果的なターゲティングができます。予測A/Bテストの併用で、最も効果の高い特典を割り出すことができるようになります。
5.ディープリンクを使用して顧客体験を改善する
キャンペーンによってユーザーをアプリに再来訪させることは、エンゲージメントとコンバージョンの向上につながる良策といえます。ただし、広告からアプリへの導線がスムーズでないと、コンバージョンする可能性が高い顧客を失うことになりかねません。
これを回避するための一つの方法が、モバイルアプリディープリンクです。広告やメールキャンペーンをクリックしたユーザーをアプリにリダイレクトし、ユーザーが閲覧していたページを開くディープリンクテクノロジーは、ユーザー体験をよりシームレスにして、アプリのコンバージョンを促進します。
6.e コマースアプリのUXを改善する
モバイル経由で気軽に買い物をしたいと考えるユーザーが増えているということは、ショッピングアプリのユーザー体験(UX)が適切に機能していることが重要です。
ユーザーはアプリをどのように使用しているか、ユーザーは何を好むか、またはどのような機能が体験をよりスムーズにできるのか、といった疑問に、推測だけで対応すべきではありません。アプリに関する短いアンケートを実施することでし顧客の身持ちに寄り添い、共感を築き、使い続けたくなるような直感的で使いやすいアプリを作成できます。
アプリコマースの利用が上昇する中でサステナブルな市場シェアを拡大するためには、トレンドの最先端にいることは非常に重要です。データ、テクノロジー、スマートな手法を使用して、消費者をアプリに呼び込み、アプリエンゲージメントを高め、ショッピングアプリをより収益性の高いアプリにすることができます。
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