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新規獲得にかかる費用は既存顧客を維持よりもずっと高額です。リピーターもまた、収益に大きく貢献してくれます。企業にとってリピーターがもたらす利益は 40%以上に上る一方で、 顧客維持率を5%向上させることで利益は25%から95%も上がるという調査結果もあります。
定期的に繰り返し消費される品物、例えば生活雑貨、ペットフード、美容用品、ベビー用品などを提供しているブランドは、定期購入を促してストックしてもらうことがきわめて重要です。このような製品のリピート購入は投資利益率(ROI)を増大し、企業が持続的に成長するカギとなります。
リピート購入とは
リピート購入とは既存顧客による購入のことを指します。これらの顧客は企業名になじみがあり、便利だから、という理由で購入します。特に手法を変更する必要はありません。
リピーターのこのような特性は、初回購入者の購入パターンとは大きく異なります。ECサイトやアプリの場合、新規訪問者は通常、時間をかけてページを閲覧し、製品を転々とし、価格比較をしがちです。一方リピーターは、すでに欲しいモノがわかっているため、直接欲しい製品を購入します。
リピート購入の促進と顧客維持の方法
Facebookのグロース担当のVPであるAlex Schultz氏によれば、毎月継続的に購入する顧客層が2-3割あれば、その企業の経営は万全といえるそうです。
また、リピーターであればその購入確度はより高いでしょう。Shopifyが実施した調査によると、もしある顧客が2回購入したら、3回目の再購入の可能性は45%に上がり、4回目ともなればその可能性は56%にまで上がります。
では、どうすれば2回目、3回目または4回目の購入をしてもらえるのでしょうか。ここからは、平均リピート購入率を向上させる戦略をご紹介します。
1) 購入後のターゲットメッセージによる継続的エンゲージメント施策
多くの企業がやりがちな間違いは、購入が完了するとターゲットメッセージを減らしてしまうことです。パーソナライズした購入後のエンゲージメント施策は、肯定的でこれからも続いてゆく印象を与え、また購入を考える時に、そのブランドをまず思いだすのに一役買います。
例えば、新しく購入したお客様に対してお役立ち情報やTIPSを紹介することで、エンゲージメントが担保されます。美容用品を購入した顧客にはヘアケアやメイクの方法の動画を紹介し、ベビー用品を購入した顧客にむけて、子育てのヒントとなるブログを紹介するといった具合です。
マーケティングオートメーションのプラットフォームを活用し、これらのコンテンツをメール、アプリ内メッセージ、プッシュ通知といった様々な方法で、リアルタイムに配信できます。
2) リアルタイムでのトリガーアクション
顧客は、購入プロセスの様々な段階で、特定の意図や行動を示します。消耗品に関しては、タイミングが重要です。
たとえばペットフードであれば毎月補充するでしょうし、歯ブラシなら3か月くらいが交換の目安でしょう。
リアルタイムのマーケティングオートメーションを使用すれば、これらの行動に基づいて顧客をセグメント化し、補充のタイミングでリマインダーを送信できます。
このような自動リマインダーは、決済せずにカートにアイテムを放置したままにしている人とのリエンゲージメントにも有効です。過去24時間に決済を完了したユーザーを除外し、まだ決済していない顧客にコンバージョンを促すリマインダー付きのトリガーメールを送信します。
3) 取引関連のメールの最適化
最近Experianが行った調査によると、注文、配送状況や確認メールのような取引関連のメールは、100%近くの開封率に達していることが判明されました。これらによるコンバージョン率は一斉送信のメールよりはるかに高いということも明らかになりました。
企業はこの種類のメールを上手に活用することで、クロスセルするための関連製品をレコメンドできます。
たとえば、朝食用シリアルの注文確認は、人気のあるチョコレートミルクをシリアルと一緒にお勧めするのに適しています。
4) 外部の興味関心データを元に顧客の購買を促進
通常、リピーターであれば欲しいものが明確で、サイト上でほかの商品を閲覧する時間はごく短いものです。
この行動を分析することでユーザーがサイト上のどの商品に興味を持っているかは理解できても、サイト外でのユーザーの行動や興味関心は理解できません。
たとえば、あなたのサイトで食料品を選んだ顧客が、別のサイトではベビー用品を購入しているかもしれません。AIであればファーストパーティーとサードパーティーのデータを組み合わせて分析し、オウンドチャンネル以外の顧客の興味関心を明らかにすることができます。
こうすることで、次にこの顧客が自社サイトを訪問してきたときに、積極的にベビー製品をレコメンデーションし、その顧客が自社サイトに落とす金額は大きくなります。
5) 2 回目の購入への動機づけ
割引やプロモーションやクーポンは、正しく使用されれば効果的です。初回購入者にとってこれらのインセンティブは特に、2回目の購入への動機づけに効果的です。
またAIを利用して、しばらくは購入していなかったけれどインセンティブで戻ってくる可能性の高い顧客を特定し、関連するオファーでリエンゲージメント施策を打ち、リピート購入を促進します。
しかし、このような特典を頻繁に提供しすぎると、収益の減少やブランドのマイナスイメージにを引き起こしかねません。従って、クーポンをばらまく前に、着実なプロモーション戦略を確立すべきです。
6) ロイヤリティプログラムの検討
リピート購入を奨励するもう1つの方法は、ロイヤリティプログラムを利用することです。割引や新製品への早期アクセスやゲーム化されたポイントシステム等々は、顧客を再び呼び戻すための方法であり、特に定期購入を前提にした消耗品には有効です。
7) コンバージョンを増加する為のリターゲティング施策の導入
かご落ちしたユーザーや、サイトを閲覧したものの購入に至らなかった顧客に対しては、リターゲティング施策が有効です。
リターゲティング施策のメリットは、アカウントにログインせずに、ゲストとしてウェブサイトを閲覧する時でも、広告を通じて顧客にリーチできることです。
これは、オウンドチャネルと外部サイトでの行動と興味関心を分析するウェブのスニペット、または顧客リストのアップロードを通じて行われます。
機械学習は、顧客の購入履歴からパターンを特定し、将来の行動を予測して、どの潜在顧客が購入する可能性が高いかを判断します。ここから優先順位を付けることができます。
ブランドの初期の成長段階では、マーケティング担当が顧客獲得に力を入れるのは当然です。
ただし、紹介購入者が増え始めたら、徐々にリピート購入に力を入れるようにシフトチェンジすることも大切です。
AIとデータを活用した優れた顧客時の戦略は、顧客の再訪を維持し、継続的なリピート購入を後押しします。
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