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サブスクビジネスで離脱を防ぐ7つのステップ

作成者: Admin|Sep 13, 2020 4:00:00 PM

ECサブスクリプション市場は急速な成長を続けており、 マッキンゼーの最新の数字によると、現在、米国だけで合計で120億USドルから150US億ドルの間になっています。

Hello Fresh、Dollar Shave Club、Naked Winesなどの大規模なグローバルプレーヤーに加えて、 LookFantasticPint Society、日本の家具およびインテリアグッズプロバイダーの Mujiなど、小規模でローカライズされたブランドが増えています。

このようなブランドの人気が高まっているにもかかわらず、サブスクリプション企業は、高い離脱率に直面しており、顧客を長期間にわたって維持するために苦労しています。では、サブスクブランドが離脱を防止、あるいは減少するためには、どのような施策が有効でしょうか。

離脱とは

離脱とは、特定の期間内に製品またはサービスの使用を停止する顧客の割合です。グローバルなサブスクリプション請求管理会社である Recurlyによると、サブスクリプションブランドの全体的な離脱率は5.6%で、サブスクリプションボックスと消費財がわずかに高くなっています。

顧客が離脱する理由はいくつかあります。その中でも大きな理由は、支出を控えたいという事情です。新型コロナ感染症が広がって以来、人々が支出に対してより控える傾向が増加し、この問題が顕在化しています。その他の理由としては、製品またはサービスの使用頻度の低下、定期的な旅行、一部のサブスクリプションの季節性などがあります。

マッキンゼーによると、製品またはサービスをサブスクモデルで利用する人の40%は、そのまま解約へ進みます。さらに、3ヶ月以内に3分の1以上が解約します。離脱は収益に大きな影響を与える可能性があるため、離脱を最小限に抑えることが長期的な成功と成長のカギとなります。

サブスクモデルにおける離脱を最小限に抑える方法

離脱を減らし、顧客が毎月、四半期、または年ごとに支払い続けるようにするために、サブスクリプションブランドは継続的に顧客との関係を強化し、価値を示す必要があります。これは正確な戦略および大規模なデータとAIテクノロジーによって達成できます。

  1. 潜在的な離脱を予測して関係を強化する

サブスクリプションに登録した顧客はいつでも解約する可能性がありますが、一部の顧客は他の顧客より解約する可能性が高くなります。これらの顧客が誰であるかを検出できれば、その特定の顧客を引き留めるためにより注力することができます。

予測機械学習(ML)モデルを利用して、既存の顧客の使用状況とコンテキストデータを分析します。使用状況データは、顧客が離れる前に製品またはサービスをどれほど使用したかを示し、コンテキストデータは前者にさらにコンテキストを追加します。MLは、顧客のアクションに基づいて、リスクの高い顧客を戦略的に予測します。たとえば、最近サブスクリプションをダウングレードした人やアクティブでない人を予測します。その後定期的に、親和性の高いコミュニケーションでエンゲージメント施策を実施し、その関係を再び活性化させるように努めます。

  2.解約する理由を顧客に尋ねる

サブスクリプションを解約したい理由を理解することは重要です。これは、将来の同様な損失を回避するための戦略を立てるのに役立ちます。たとえば、サービスが高額であったり、製品を使用していないことが原因で離脱する場合は、価格を調整するか、提供内容を再検討することができます。

このデータは、解約時に簡単なオンライン調査、電子メールまたは電話で収集できます。回答しやすくするために、いくつかの多肢選択のオプションを提供し、オープンフィードバックの記入欄も加えます。同時に、より低い価格階層に移行するか、サブスクリプションを一時停止するよう提案します。

  3.リアルタイムの顧客プロファイルを作成して関係性を維持する

顧客がサブスクリプションを解約する理由の1つは、その特定の製品またはサービスに対して同じレベルのニーズや関心がなくなったからです。これは、データ駆動型アプローチを採用することで回避できます。

オウンドチャネル外で取得したサードパーティデータから顧客の行動や興味関心を活用し、AIツールを使用して、より正確な顧客プロファイルをリアルタイムで作成します。これにより、顧客の変化するニーズと好みをよりよく理解できるようになり、製品やサービスがいつまでも顧客にとって有用で関連性の高いものであり続けられるように維持できます。

  4.生涯顧客価値を元に離脱した顧客を呼び戻す

顧客がサブスクリプションを解約したとしても、顧客を呼び戻すのに遅すぎることはありません。魅力的なコミュニケーションと関連度の高いオファーで、サブスクリプションに再登録する可能性が最も高い顧客をターゲティングし、より成功の確度を高め、ROIを向上させることができます。

これらの価値の高いセグメントを特定するために、ディープラーニングツールを使用して、オーディエンスの大規模な行動や興味関心に基づいて特定のセグメントを定義します。次に、予測ディープラーニングモデルを使用して、事前定義されたルールに基づいて最適なセグメントを組み合わせ、その価値やサブスクリプションに再登録する可能性に基づいて、セグメントの組み合わせをランク付けします。

  5.適切なタイミングで適切なチャネル経由でリエンゲージメント施策を実施

離脱を防止することは、購読者への吸引力を維持することであり、それを確実にするには、顧客の目の届く範囲に留まり、関係を維持し、継続的に優れた体験を提供しなければなりません。

AIベースのマーケティングオートメーションを使用することで、購読者の好むコミュニケーションチャネル(メール、アプリのプッシュ、アプリ内メッセージ、SMS、メッセンジャーなど)、エンゲージメントする1日の最適な時間および反応する可能性の最も高いクリエイティブフォーマットの種類をよりよく理解できます。その後、パーソナライズされた興味関心ベースのオファーを配信し、再エンゲージメントを狙います。

  6.付加価値を提供するパートナーシップを探る

パートナーシップは小売業の新たなトレンドであり、サブスクリプション小売業も例外ではありません。別のブランドと協業することは、収益を向上させるだけでなく、購読者に目新しい何かを提供することを可能にします。このことで再エンゲージメントの増加と離脱の減少につながります。

たとえば、アイスクリームのサブスクリプションボックス(Pint Societyなど)が映画ストリーミングサービスと提携したり、衣類のサブスクリプションブランド( Her Velvet Vaseなど)が美容ブランドと提携するのが良い例です。サブスクリプションブランドにとって価値のあるパートナーシップは推測するのではなく、AI搭載の顧客インサイトの活用で、購読者に付加価値を提供できるパートナーシップを探りましょう。

  7.購読者のロイヤリティに報いる

顧客のロイヤリティが高いほど、提供されたものを高く評価し、離れる可能性が低くなります。このため、最優良顧客だけでなく、新規顧客にもインセンティブや報酬を提供することが重要です。

ブランドへのロイヤリティを高めるために、食品サブスクリプションボックス小売業者の Hello Freshは顧客に紹介用の割引と無料ボックスを提供しています。 Birchboxは、紹介ごとに50ポイントをメンバーに提供することで同じことを実行しています。また、ソーシャルエンゲージメントや動画の視聴など、他のアクティビティを奨励することもできます。

  一定量のサブスクリプション離脱は避けられないものですが、データと適切なツールを使用して購読者のニーズや購読と解約の理由を理解し、関係の強化や価値を維持するための取り組みを実行することで、サブスクリプションの離脱を抑え、利益を上げることは可能です。

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