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顧客リエンゲージメントの向上に不可欠な高精度なターゲティング「プレシジョンマーケティング」

作成者: Admin|Oct 29, 2019 4:00:00 PM

プレシジョンマーケティング(精密マーケティング)は企業と顧客との関連性を深く追及する手法であり、新しい考え方ではありません。しかし現在は機械学習を活用することで、マーケターが顧客エンゲージメントの質を向上できる可能性が広がっています。

これまでよりデータを活用することでマーケターは根拠に基づいた判断をくだすことができ、既存顧客を維持するだけではなく、クロスセリング、アップセリングがしやすくなっています。  

1. プレシジョンマーケテングが必要とされる理由

  新規顧客の獲得と比較して、既存顧客の維持の方がはるかに費用効率が高いことはマーケティングではよく知られています。実際、 新規顧客の獲得には、既存顧客の維持よりも5倍の費用が必要です。そのため、既存の顧客ベース内でロイヤルティを生み出すことは、ビジネスの利益につながります。  

2. プレシジョンマーケティングの適用方法

  プレシジョンマーケティングは、新規顧客の獲得に焦点を当てるのではなく、既存顧客との関係性を強化します。顧客のロイヤリティを高めることを目的としているので、より多くのコンバージョンを促進できます。目を引く広告によって新規顧客を獲得するのとは違い、既存の顧客に訴求する、きめ細やかなパーソナライズされたコンテンツや特典を提供します。

実際にこのマーケティング手法を行うには、詳細なオーディエンスセグメンテーションを行います。明確に定義されたユーザーの特徴や特定のニーズに基づいてより具体的なセグメントを作る必要があります。  

3. プレシジョンマーケティングの成長

  ニールセン社のレポート ( A Digital Giant Awakens) によると、アジア太平洋地域のプレシジョンマーケティングへの投資は、今後マーケテイング予算の14%から19%に増加すると予測されています。つまり現在プレシジョンマーケティングを推進していない場合、他社と比較して十分な競争力を持てない可能性があります。

この戦略を採用する企業が増えています。マーケターは顧客が購入に至るまでのユーザージャーニーをより深く理解することができ、顧客プロファイルとパーソナライズされたコミュニケーションが可能になります。テクノロジーの進歩により、マーケターの意思決定のために頼れる質の高いデータにアクセスが可能になりました。そして結果に対する自信を高めることができるようになりました。

また、全てのチャネルに渡って一貫したブランドストーリーを促進し、より魅力的で説得力のある販売を実現させることができます。  

4. 実践してみる

  プレシジョンマーケティングを導入するにはまず単一の顧客ビューが必要です。これは社内で保持している一貫された包括的なユーザーデータです。この情報は、データサイエンスプラットフォームなどで閲覧することができ、性別やローケーションなどの人口統計情報以外にも過去のユーザー行動データや他社サイトでの興味・関心に関するデータ等を把握することが可能です。

顧客の差別化と等しくデバイスを持つ一人の顧客を特定することは重要であり、この作業には機械学習が役立ちます。使用しているデバイスに関係なく、特定のユーザーが所有する複数のデバイス上の行動を分析することで、どのデバイスでコンバージョンをする可能性が高いか分かってきます。

これらのデータを理解することで、顧客が利用するデバイスを通じて最適なタイミングでリーチし、彼らの購入を後押しすることができます。例えば、朝、通勤中にスマホで様々なサイトを閲覧しているタイミングではなく、夕方に顧客がタブレットで購入カートに追加したときに特典付きのメッセージを発信することができます。

ターゲットオーディエンスの全体像を把握したのち、ディープラーニングを活用したプログラマティック広告でリターゲティングを実施します。そこから導きだされたデータをディープラーニングを使って分析し、オーディエンスセグメントを分類するためのコンバージョン率(CVR)と広告費用対効果(ROAS)を予測します。これができたらその分類に基づいて、最も購入の可能性が高いセグメントと優先すべきセグメントを特定します。

高度な人工知能(AI)技術により、さらに深く掘り下げた顧客セグメントを作成することができます。 サードパーティデータで機械学習を駆使し、顧客が他のサイトで示した興味やトピック、および 意図を即座に知ることができます。

この詳細なデータに基づいて、さらに具体的なオーディエンスセグメントを作成できます。 顧客の全体像を把握するためのインサイトを活用することで、ユーザーのニーズや好みに合った内容を適切なチャネルを通じてタイミングよくを配信できるため、パーソナライズしたマーケティングキャンペーンが可能になります。

ただし、これで終わりではありません。プレシジョンマーケティングは継続的なプロセスであり、アプローチを絶えずテスト、測定、改良する必要があります。

プレシジョンマーケティングを展開すると顧客の全てのタッチポイントでパーソナライズされたメッセージを配信することができます。マーケティングメッセージをまったく新しいレベルに引き上げるには、適切なAIツールへの投資が欠かせません。