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「コンピュータビジョンを活用した行動予測の応用と実装」Appier ミン・スンとグレッグ・モリ氏が対談

Appier(エイピア、共同創業者/CEO: チハン・ユー)は、AI 研究分野で活躍する日本人人工知能研究者を紹介する「AI タレントインタビュー」を開始し、この度第2弾を配信いたしました。

この対談動画では、Appier チーフ AI サイエンティストのミン・スンが、カナダ、ボリアリス AI ラボのリサーチディレクターであり、サイモンフレージャー大学 コンピュータサイエンス学部の教授であるグレッグ・モリ氏に、現在取り組んでいるコンピュータビジョンを活用した行動予測の応用と実装について聞きました。さらにモリ氏の日本の研究機関での就業体験や、カナダの企業と大学の要職を兼務する中で感じた日本の AI 人材育成に理想的な環境と大学の在り方、優れた AI 研究者となるための心がけを聞きました。  

企業での実務経験をもつ方を教育者に

ミン・スン: 大学生のときに、日本でインターンを経験されていますね。日本の AI 研究者や学生が育つ理想の環境とはどのようなものだと考えていますか?

グレッグ・モリ: 現在は最先端の AI を開発するための研究者や、特定のソフトウェア開発の技術者が不足しているため、 世界中の大学、政府、企業が AI 技術者という職業に興味を持ってもらえるよう努力しています。私が学部生だった 1990 年代後半では、企業が欲しい学生を確保するために、次世代育成への投資は必要とされていませんでした。

しかし、今は、日本や他の国でも人材育成に投資する、というルネッサンスが起こっています。 次世代のサイエンティストの育成には時間がかかります。こうした状況では、大学教授に柔軟な条件を提示することが重要です。 たとえば企業での経験を持った方を教育者として採用することです。

クレッグ・モリ: 医学部では、医者が教師となって学生に人との関わり方や患者の癒し方なども教育し、次世代の学生を育成しているのです。コンピュータサイエンスや AI の分野でも、各産業の知識のベースと次世代の育成に情熱をもつ人材が、非常勤の教授として活躍してくれれば、学生の実践的な育成が強化されるのと同時に、次世代のコンピューターサイエンティストの育成、企業は社会の問題解決に同時に対応できます。

機械学習や AI の研究方法の進歩はとても速いので、学生は実社会での課題を通して最新技術を学ぶ必要があります。実際のリアルな課題に取り組む人が教鞭をとることで、これが可能となります。

また、AI を学びたいと考えている学生は非常に多いものの、当然彼らは何から始めていいかわかりません。

大学や研究室は優秀な教授を採用するとともに、実社会で活躍する人と一緒に、こうしたやる気のある学生たちを育てることが必要です。そのためには、大学や研究室が若くて優秀で多様性のあるサイエンティストを迎え入れることが重要です。大学は、彼らの新しいアイディアを活かしながら最先端技術を追求しなくてはなりません。

  「第二弾: カナダ、ボリアリス AI リサーチディレクター グレッグ・モリ氏との対談」

「第一弾: 理化学研究所 兼 東京大学 杉山教授との対談」

  ミン・スン プロフィール

2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるAndrew Ng(アンドリュー・エン)氏、 元Google CloudのチーフサイエンティストであるFei-fei Li(フェイフェイ・リー)氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表 2014年に国立清華大学の准教授に就任 2015年から2017年には、CVGIP(Computer Vision Graphics and Image Processing)Best Paper Awardsを3年連続で受賞。専門分野は、コンピュータビジョン、自然言語処理、深層学習、強化学習 2018年には「研究者には肩書きよりもデータが必要」と感じ、AIテクノロジー企業AppierにチーフAIサイエンティストとして参画。新製品の開発、既存製品の機能改善のほか、記述的な課題解決を行う

グレッグ・モリ プロフィール

カナダロイヤル銀行傘下のボリアリス AI バンクーバーのリサーチディレクター兼サイモンフレージャー大学コンピュータサイエンス学部教授 1997-1998 年: 京都の株式会社国際電気通信基礎技術研究所にてインターンを経験 1999 年: トロント大学にてコンピュータサイエンスならびに数学分野で優等理学士取得 2004 年: カリフォルニア大学バークレー校にてコンピュータサイエンス分野で博士号取得 2014-2015 年にはカリフォルニア州マウンテンビューの Google 客員科学者として従事 2015-2018 年にはコンピュータサイエンス学部のディレクタ-を務める モリ博士の研究分野はコンピュータビジョン、機械学習、物体認識、人間行動認識 これらの分野のスタートアップ 9 社の科学アドバイザーを務めた。

100 以上の科学論文を発行し、2017 年には IEEE ICCV ヘルムホルツ賞を受賞 モリ氏は、コンピュータビジョン、機械学習分野の学会(CVPR, ECCV, ICCV, NeurIPS)における運営委員を務め、2020 年に開催の CVPR のプログラム責任者を務める

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