突然ですが、世界中のEコマースサイトの平均コンバージョン率は約2.6%であることをご存じですか?
この数字を大きいとみるか小さいと見るかは、皆さんの属する業界等によって違うかもしれません。Eコマースに限れば、これは、オンライン販売に大きな成長の余地があることを物語っています。この成長の余地を縮めるために一般的に行われている方法の一つが、リマーケティングです。
例えば、消費者Aが貴社のウェブサイトを閲覧し、靴を1足カートに入れたとします。ところが、何も購入しないでカートを放棄してしまう。しばらくしてこの人がオンラインサイトを閲覧していると、以前買うのを迷っていた靴を推奨する広告が表示され、貴社のウェブサイトに戻って購入を完了させるよう促されます。この広告は特典として値引きを提供するかもしれませんね。これが典型的なリマーケティングと言われる方法です。リマーケティングの目的は、興味関心がありながらコンバージョンに至っていない見込み客にリーチし、関連性の高いマーケティングメッセージでそれらを購入に導くことです。すでに商品に興味関心を示し、コンバージョンの可能性が高い消費者へのエンゲージメントを行うことにより、高い投資利益率(ROI)をもたらす事ができます。
このリマーケティングはこれまで広告施策の一つでしたが、最近の企業はEメールやアプリ内の通知によって買い物客にリーチし、関心を高める取り組みがで切るようになっています。それをもう一歩進め、今やAIが進歩したことにより、機械学習(ML)などの方法を活用して、リマーケティングをこれまで以上に精度高く実施できるようになりました。
より適切なターゲティングや関連性が高いメッセージほど、リマーケティングには有効だということが証明されています。多様なデータからAIを使ってターゲット顧客を見出したいのであればAIを使うことををお勧めします。
リマーケティングのベースとなっている従来のセグメンテーションマーケティングに際して、買い物客がログアウトした後は、適切な商品と消費者を結び付けるのは困難です。彼らの実際の興味関心やニーズを見定めるために、さまざまな興味関心やグループに関するデータをふるいにかける作業はさらに複雑です。一方、AIを使うと適切なユーザーのセグメンテーションをより容易に行うことができる。AIは、MLを利用してユーザーの購入履歴に関するデータを解釈し、将来の購買行動の予測に役立つパターンを特定することで、リマーケティング戦略の最適化を支援します。
例えば、Appierのプログラマティック・プラットフォームCrossXは、AIを活用したアドソリューションですが、ディープラーニングのアルゴリズムを使用して、何十通りものユーザー行動をリアルタイムで分析し、コンバージョンの可能性が高いユーザーを予測します。これにより、マーケターは最も購買の可能性の高いユーザーを優先的にターゲティングできます。
MLは、ユーザーの行動分析と商品情報を統合して、パーソナライズされたレコメンデーションを作成し、コンバージョンの可能性を高めます。AIを活用してリマーケティング戦略を最適化するメリットは以下のようなものがあります。
MLは、ショッピング(実際のコンバージョン)と検索(ウィンドウショッピング)を区別できるため、コンバージョンへの確率が高そうなユーザーのリターゲティングができます。かなりの時間をかけてインターネットを閲覧しているものの滅多に買い物をしないユーザーと、欲しい物がある時にサイトを訪問して購入するユーザーの、どちらをリターゲティングスべきかを教えてくれます。
東京行きの航空券を予約したユーザーを例に説明します。従来のリマーケティングでは、さまざまな行き先のフライトのプロモーション用にターゲティングを行っていたでしょう。いままでだとプロモーションといえばチケットの値段の低さを訴求するだけでした。正しくターゲティングされていないままにメッセージを送っていたこともあったでしょう。ユーザーが東京行きのチケットを予約したなら、次の行動はホテルやツアーなどの比較検討をすることは容易に想像できます。そのようなユーザーの行動を先読みしてじっしするのが最新のリマーケティングです。 AIを使うと、ユーザーの過去の購入行動や複数のEコマースサイトのデータに基づいて、購入したいと思っている品物やサービスに関連性の高いレコメンデーションを行ったり、レコメンデーションで提示する商品数を増やしたりできます。マーケターは、ユーザーの意図に関する貴重なインサイトを生かし、機能やデザインなどが類似している商品を訴求することでユーザーをリターゲティングすることができます。
ユーザーが所有するすべてのデバイスにリーチし、購入を促せるので初回の訪問から購入に至る時間を短縮することができます。さらに、AppierのCrossXアドソリューションのようなAI搭載のプラットフォームを使うと、どのユーザーのどのデバイスに向けて、どういうメッセージでいつリーチすべきかというインサイトを入手することができるので、これまでは複数のアプリケーションを使い、複雑な作業が必要だった、デバイスを横断してのリマーケティングをシンプルにできます。