新規顧客を獲得し、既存顧客からご愛顧いただくためには、クーポンの戦略的な活用が重要であることが分かります。これは、ブランドがブランド・ロイヤルティを構築しようとする際に、繰り返し利用してくれる顧客にリワード(見返り)を提供する場合に有効です。カルフールの例では、割引率の範囲を「閾値 -いきち( 数値的な境目、境界線となる値)+10米ドル」としていますが、マーケターは経験に基づいて数値を調整し、適正な利益増加を実現することができます。
近年のオンラインショッピングプラットフォームの発展と消費者行動の大きな変化を受けて、カルフールは2015年に台湾で オンラインストア を立ち上げました。さらに、デジタル技術の進展および競争力強化を加速させるために、デジタルおよびEコマース専門部署を設置しました。その立ち上げ段階のマーケティング戦略において、カルフール台湾はまずAppierのクロスデバイスソリューションを採用し、カルフールサイトのブランド認知度と訪問者数を高めることに成功し、さらにAppierのAI技術を組み合わせることで、サイトのトランザクションが強化され、CPC(Cost Per Conversion)を最適化することができました。
30年以上にわたり台湾で事業を展開しているカルフールのような小売企業でも、大小のEコマース・プラットフォームの台頭と小売市場の飽和状態により、新たに買収した店舗の売上を強固にするためのオンラインマーケティングを、正確に実施する必要があります。特にコロナ禍では、ビジネスモデルをオンラインショッピングやデリバリーへとシームレスに移行させ、「ゼロタッチ」で展開できるビジネスを拡大させています。
コロナ禍により、カルフールのオンラインショッピングの規模は2020年には3倍になり、オンライン会員数は200万人を超えました(1) 。台湾政府が2021年5月12日にレベル3の新型コロナ感染警報を発表した後、カルフール台湾のオンラインショッピングプラットフォームの1日の注文量は、最初の2週間で1日23,000件を超えました(2)。この驚異的な成長は 、デジタルマーケティングが小売ビジネスの成功にとって必要不可欠な要素となることを示していますが、カルフールは次のような課題を抱えていました。
● 予算のコントロール:マス広告を利用すると、マーケティング予算が膨らみ、思うようなパフォーマンスが得られない。
● ブランド価値の維持:すべての顧客にニュースレターやクーポンを送ると、メールシステムにブロックされたり、顧客の関心を引けなかったりしたため、顧客エンゲージメントが有効ではなく、さらに企業のブランド価値を下げてしまう恐れがある。
● キャンペーンの大量投下:消費者は、小売業界の際限のないマーケティング・キャンペーンに疲れ果てており、メールのニュースレターなどは、競争の激しいオンライン小売業界で、顧客の注目を集めようと奮闘することになる。
そこでAppierは、以下3つのソリューションで、カルフールのマーケティングにおける課題を解決しました。
● 価値の高い顧客をターゲットに:Appierは、購買力の高い潜在顧客にフォーカスするため、料理、パーティー、ハイパーマーケット(大型スーパー)などの購入シーンに関連する興味・関心の組み合わせをフィルタリングしました。さらに、AIシステムが「過去30日以内に登録した新規会員のユーザープロファイルおよび興味・関心」を分析し、より高い広告クリック率(CTR)を達成するために類似した潜在顧客を特定しました。
● 訪問者のリターゲティング:Eコマースにおける広告CTRの世界平均はわずか2.6%であり、オンライン販売のビジネスポテンシャルの大きさを示しています。Appierは、カルフールが広告予算を効果的に配分できるよう、AIを活用してサイトの訪問者の行動を分析し、何百万もの組み合わせをリストアップして、より高い購買ポテンシャルを持つ顧客を予測し、リターゲティングを行いました。
● 購入を躊躇している顧客のコンバージョンを加速:スーパーマーケット・ハイパーマーケット(大型スーパー)は、最も競争の激しい分野です。新規・既存のウェブサイト会員に焦点を当て、AiDealを使ってクーポンを送信することが最も効果的であると判断し、既存顧客の購買力に基づいたプロモーション予算を、タイムリーにコントロールできるようにしました。スーパーマーケット・ハイパーマーケットは年間を通して営業している業態であり、コスト管理と販売促進が鍵となります。ハイシーズンには売上強化、ローシーズンには消費を刺激する施策が必要です。
カルフール、Eコマースプロジェクトマネージャー、ジェス・ファン氏
「AiDealのソリューションは柔軟性が高く、購入を躊躇している顧客を対象にしたキャンペーンは、私たちのスタンスを受動的な立場から能動的な立場に変えることができました。また、全ユーザーにクーポンを配信した場合に起こる利益圧迫を回避できたため、小売業者の運用上の問題点を完璧に解決してくれました。リターゲティング広告を戦略の中心に据えたことで、カルフールは顧客を獲得し、結果的にマーケティング予算の配分を改善することができました。Appierチームのサポートにより、様々なキャンペーンのマーケティングニーズに合った、そしてインテリジェンスに基づく補完的なデジタル戦略を設計することができました。おかげでカルフールは競争の激しいオンライン小売業界でトップに立つことができました」と述べています。
他の成功事例については こちら をご覧ください。
1. 未来流通研究所「Future Commerce」(2020年12月13日) カルフールが実店舗の小売をオンラインに移行
2. 中国時報(2021年6月1日) 送料無料、即日発送、豊富な選択肢