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ARPPU (課金ユーザー一人あたりの平均収益)とは何か?
ARPPU(課金ユーザー一人あたりの平均収益)は、デジタルマーケターやアプリ開発者、SaaS企業が、特定期間において課金ユーザーが平均してどれくらいの収益を生み出しているかを測るための重要な指標です。ARPU(ユーザー一人あたりの平均収益)は全ユーザー(無課金ユーザーも含む)を対象にしますが、ARPPUは実際に課金したユーザーだけにフォーカスするため、より価値の高い顧客層の動向を把握できます。
なぜARPPUが重要なのか
フリーミアムアプリやオンラインゲーム、サブスクリプションサービスを運営している場合、無料ユーザーが多く、課金ユーザーは少数派というケースが一般的です。ARPPUを活用することで、課金ユーザーの消費傾向を把握でき、以下のような場面で役立ちます。
- 高価値顧客セグメントの特定
- 価格戦略の最適化
- 商品・サービス内容の調整
- アップセルやクロスセルの機会発見
ARPPUの計算方法
ARPPUの計算式はとてもシンプルです:
例えば、アプリが1ヶ月で10,000ドルの収益を上げ、課金ユーザーが200人いた場合、ARPPUは50ドルとなります。
実際のビジネス事例
- モバイルゲーム
Monster Paradise
Monster ParadiseはAeria Gamesが提供するカードバトル型のモバイルゲームで、ホリデーシーズンにはARPPUが90ドルのピークを記録し、アメリカとフランスでは40日間の平均ARPPUが35ドルを超えました。コミュニティ運営やゲーム内イベントを強化することで、課金ユーザーの消費を促し、全体の収益を伸ばしました。 - SaaS企業
Bumble(マッチングアプリ)
人気マッチングアプリのBumbleは、2020年第3四半期にARPPUが18.48ドルとなり、前年の15.99ドルから増加しました。新しいプレミアム機能やサブスクリプションプランを導入することで、課金ユーザーの平均支出を増やし、収益化を強化しています。 - サブスクリプションボックス・EC
Blue Apron
ミールキットのサブスクリプションサービスであるBlue Apronは、ユーザーに追加のミールやプレミアムオプションを提案することでARPPUを62ドルまで引き上げました。この施策により、課金ユーザー一人あたりの平均収益が増加し、顧客の継続率や全体の収益性も向上しました。
ARPPUとARPUの違い
指標 |
対象ユーザー |
計算式 |
主な用途 |
ARPU |
全ユーザー(課金・無課金) |
総収益 ÷ 総ユーザー数 |
ビジネス全体の健全性、集客効果 |
ARPPU |
課金ユーザーのみ |
総収益 ÷ 課金ユーザー数 |
収益化、価格戦略、リテンション |
ARPPUを効果的に活用するコツ
- ユーザーをセグメント化する:課金ユーザーの中にも、基本プランだけの人やオプションを多く購入する人などさまざまです。セグメントごとに分析することで、より高価値なグループを特定できます。
- 継続的に推移を追う:月ごとのARPPUの変化を観察しましょう。上昇していればアップセルが成功している可能性があり、下降していれば価格や商品内容の見直しが必要かもしれません。
- 他の指標とバランスを取る:ARPPUは重要ですが、LTV(顧客生涯価値)やコンバージョン率、解約率なども同時にチェックしましょう。ARPPUを上げることで課金ユーザー数が減る場合もあるため、バランスが大切です。
まとめ
ARPPUは、無料ユーザーと課金ユーザーが混在するビジネスにとって欠かせない指標です。課金ユーザーの価値を正確に把握し、最適な価格設定や商品開発、マーケティング戦略の意思決定に役立ちます。ARPPUを意識することで、より多くの収益を生み出すビジネス成長が期待できます。
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