デジタルトランスフォーメーション戦略を展開するためのワンストップ型オムニチャネルマーケティングソリューション
Better Milkは、乳業界における不公正取引、食品安全、流通規範の問題に取り組み、供給元での獣医師の管理体制を通じて、牛乳の品質を保証し、消費者が自ら飲む牛乳がどこから来たかを知ることができるように努めています。このように、Better Milk は、同じ考えを持つコアな顧客グループの間で確固たる評判と忠誠心(ロイヤリティ)を得て、酪農業界におけるブランドの知名度と市場占有率を高めることに成功しました。
消費者のオンライン化が進むにつれ、Eコマース・プラットフォームはあらゆるブランド運営に欠かせない存在となっています。Better Milkは、オンライン売上と顧客ロイヤリティを高めるため、Appierのエンタープライズソリューションを採用し、オンラインプラットフォームにおける顧客とのコミュニケーションとエンゲージメントを更に向上させました。
Better Milkは、オフラインの取引データとオンラインのユーザー行動データを紐づけ、異なるソースから顧客データを収集することで、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進展させました。これにより、Better Milkの顧客プロファイルや嗜好を理解し、ブランドメッセージや特典をファンに伝える機会をうまく活用できるようになりました。Appierは、プラットフォームの運用管理を簡素化するワンストップ型ソリューションを提供し、フォローアップマーケティングを活用したプロモーションに必要な時間や人的リソースを削減しました。
図1:Better Milkは、Appierのエンタープライズソリューションを活用し、「顧客エンゲージメントと会員維持の強化」及び「販売店や業界パートナーとの連携強化」によるブランド力向上を実現。
パーソナライズされたデジタル体験で、顧客エンゲージメントと会員維持の強化を実現
Better Milkのデジタルトランスフォーメーションにおける次のフェーズでは、会員の維持に焦点を当て、会員にパーソナライズされた体験とサービスを提供することを目指しました。Appierのエンタープライズソリューションを活用することで、オフラインの消費者データ(購入商品、訪問店舗、購入時間)とオンラインのユーザーデータ(性別、年齢、所在地)、ユーザー行動(会員申込、カートへの追加、クーポンのダウンロード、購入完了、購入回数)を紐付けることができました。このデータにより、顧客の特徴をタグ付けし、顧客とのコミュニケーションを深化させ、会員維持に役立てることができました。
かつてBetter Milkは、過度に複雑で分散したマーケティングツールを使用していました。例えば、ニュースレターとSMSメッセージはそれぞれ異なるプラットフォームで提供されていたため、マーケターは常にプラットフォームを切り替えながら使いこなす必要があり、データのマッチングや分析に余分な時間と人的リソースを要していました。そこで、Better Milkはパーソナライズクラウド「AIQUA」を採用し、外部キーワードや興味関心を収集し、例えば、「低ロイヤルティ顧客」に対しては再購入のリマインダーや最新の割引情報を提供し、ウェブサイトへのリダイレクトを行うことなど、特定の顧客層向けのマーケティングアセット(資産)を創造しました。また、「高ロイヤルティ顧客」に対しては、ブランドストーリーや週次定期便のお知らせを配信し、定期的な購入を促し、会員のロイヤルティを醸成しました。一方で、会話型マーケティングソリューション「BotBonnie」は、顧客がWebサイトから離脱した後もBetter MilkがMessengerやLINEを通じて顧客と繋がり、自動メッセージやパーソナライズされたコミュニケーションをすべてのチャネル(Webサイト、LINE、Facebookページ、ニュースレター)で実現することを支援しました。それにより、3ヶ月間でLINEの公式アカウントユーザーは約2.6倍に増加しました。
また、Webサイトの顧客転換を加速するために、同社はコンバージョン最適化クラウドソリューション「AiDeal」を採用し、AIによるパーソナライズ化されたコミュニケーションを基盤に、買い物をためらう消費者を特定して効率的にクーポンを配信することで、オンライン取引の件数と注文量を増加させることができました。例えば、中秋節の期間中、Better Milkは躊躇している消費者を対象に、500元以上の購入でさらに50元引きになるクーポンを配信し、ウェブサイトの転換率を33%引き上げることに成功したほか、注文転換率を加速させキャンペーンの収益を最大化させました。また、同社はAIQUAを活用し、春巻きをクリックした消費者を対象にWebプッシュを行い、キャンペーン期間中である7月31日から8月31日には、食品・飲料業界平均(4%)の4倍のユニークコンバージョン率を達成しました(2022年 Statista社)。AIが商戦期に企業ブランドを際立たせる方法については、Appierのレポート「AIで商戦期の売上を最大化する方法:年末商戦期のインサイトと攻略法」をご参照ください。
顧客データでチャネル販売を強化し、業界パートナーとの新たなビジネスチャンスを生み出す
これまで、Better Milkのオフラインの販売代理店チャネルからのデータは非常に分散しており、オフラインの顧客プロファイルを追跡し、流通におけるパートナーシップ(協業体制)を強化することが困難な状況でした。そこで、Appierがオンラインとオフラインのデータ収集を支援することで、Better Milkは潜在顧客を特定し、消費者の習慣や製品の嗜好を把握できるようになり、すべての消費者に向けたマスマーケティングではなく、一人ひとりに合わせた精度の高いマーケティングを実施することが可能になりました。同社は、オンラインプラットフォーム上のキャンペーンを利用して消費者の習慣やプロモーション戦略を追跡し、オフラインの流通パートナーが顧客を理解して質の高いサービスと商品体験を提供できるようにするとともに、オンラインとオフラインの異業種間でのコラボレーションによるマーケティングの可能性を切り開くこともできました。
前述のマーケティング課題を克服するため、AppierはBetter Milkの「より深く、より広範な」デジタルトランスフォーメーション戦略の展開を支援し、同社が顧客ロイヤルティを強化し、異業種間でのコラボレーションに着手することを可能にしました。会話型ソリューション「BotBonnie」を利用してオフラインの消費者データをオンラインに統合し、AIQUAの統合データとBetter Milkのオンラインプラットフォームを活用して、オフラインとオンラインのBetter Milk会員プロファイルを紐付けました。これにより、同社はカスタマージャーニーのあらゆるポイントでメッセージングの精度や(会員との)やり取りを向上させ、キャンペーン期間中のオーディエンスコミュニティを活性化することができたのです。例に、Better MilkはCTBC銀行と提携し「ATMクーポン」を提供し、BotBonnieを活用してオフラインの潜在顧客がBetter Milkの公式LINEアカウントを追加するよう誘導後に、潜在顧客は割引コードを受け取ることができるようにしました。これが、同社のオンラインコミュニティの拡大、ロイヤリティの育成、顧客価値の向上するのに一役買うこととなりました。
より豊かな体験と多くの商品を提供することでブランド影響力を強化
Better Milkの創業者であるChien-Chia Kung氏は、「当社は、全く新しい経営手法で酪農業界の規範を書き換え、生産者、流通業者、消費者が新しい販売モデルから受益できるようにしました。Better Milkが次の成長段階を迎えるにあたり、消費者データとデジタルツールを統合し、顧客エンゲージメントを深めるワンストップ型プラットフォームを構築するとともに、新しい流通パートナーの獲得や業界を超えたコラボレーションの機会も同時に開拓していきたいと考えています。Appierは、技術的な専門知識と完璧なサービスの提供にとどまらず、クライアントのニーズに対し建設的な視点と提案を提示し、クライアントの声を根拠に更なる最適化を図ってくれています。当社は、Appierとの協業により、Better Milkとしてのブランドの普及とデジタル化のさらなる推進を実現できることを嬉しく思います。」
Better Milkは、今回のAppierとの協業により、AIQUA、BotBonnie、AiDealを活用し、更により顧客中心のキャンペーンを実施し、投資利益率(ROI)を最大化するとともに、良い顧客体験の構築と業務の効率化を目指していきたいと考えています。